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連載

きょうのイエノミ
旅するイエノミ
すだち割りと、京都の湯葉佃煮

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.018

posted:2015.9.24  from:神奈川県横須賀市  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

〈 この連載・企画は… 〉  伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、
手軽で簡単、しかもちょっとした旅気分が味わえる
日本各地のおいしいものと三浦半島の旬の食材を使った、
和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

残暑を飛び越して、いきなりの秋到来。
おいしそうなサンマが店頭に並び、すだちもまさにいまが旬。
豊かな実りの季節がすぐそこまで来ているのですね。
料理研究家・飛田和緒さんの家にも、徳島からすだちが届きました。
和えもの、サラダ、スープ、そばに鍋料理。
なんにでもしぼってかけて、秋ならではの贅沢をたっぷり楽しみます。
きょうのイエノミでも、すだち割りをまず用意。
上品な香りと酸味のおかげで、身体もしゃきっとするそうです。

おつまみの主役は、大皿に盛った熱々の焼きとり。
子育て中でなかなか外食できない飛田さんにとって
焼きとりを家でもおいしく食べたいという思いは、かなり切実だったとか。
そういえば、焼きとりを“家で焼く”ことって案外ないですよね。

逆に、自分では絶対つくれないし真似しようとも思わない。
「どれだけ手間をかけているか、食べるとよくわかるのよ」
それが、京都〈北郎〉の湯葉佃煮〈お豆の旅〉。
“ちりめん山椒”は、好みの味でつくるようになった飛田さんですが
こちらは、いただきものを食べて即座に店へ電話をし
お取り寄せするようになってから、もう10年以上になるそうです。

●ローカルな逸品〈京都市・北郎の“お豆の旅”〉
祇園生まれの色白美人に思いをこめて。

きょうのイエノミの名脇役が、この〈お豆の旅〉。
湯葉とちりめんじゃこ、椎茸と山椒が淡くふっくらと炊き上げられ
佃煮というよりも色白な、楚々とした風情が印象的です。
「お茶漬けやごはんのおともでも、もちろんいいけれど」
お酒のおつまみとしても絶妙な塩梅なので
ちょこちょこつまみだすと止まらなくなってしまうとか。
たしかに、細かく切られた湯葉がしっとりと柔らかく
なんとも優しく繊細な味わいです。
「だから、もったいないと思いつつすぐ食べてしまうの」
取り寄せをお願いするときの電話でのやりとりからも
ていねいに愛情こめてつくっている様子が伝わってきて
どんなお店なのかしらと、ずっと思っていたそうです。

その〈北郎〉は明治45年創業の創作京料理の店。
〈お豆の旅〉の名づけ親は、ごひいきだった喜劇王の故・藤山寛美さん。
同封されていた紹介文でそこまではわかっていましたが
ご主人のお話が聞きたくて、京都祇園の店に電話してみました。
でも〈お豆の旅〉の生みの親、名料理人として知られたご主人
北村元一さんは、3年半前に65歳で亡くなられていたのです。

替わりにお話してくれたのは、北村さんの妹、荒川文子さん。
「創作が本当に得意でして。兄の料理のおいしさは忘れられませんね」
“いちじくの胡麻だれ”のように、北村さんが考案し
他の店に広まったオリジナル料理も多いのだとか。
ぐじ(甘鯛)を描いた包み紙のデザインや
名調子で綴られた〈お豆の旅〉の紹介文も
北村さんが全部自分で考えたそうです。
〈お豆の旅〉は、京料理だと脇役になってしまう湯葉を
なんとか主役にしてあげたいと、修業時代から考え続けて完成させたもの。
もともと〈北郎〉は、創業当時湯豆腐の店だったこともあり
湯葉はおいしいのに不憫やなと、3代目の北村さんは思っていたのかも。

いまは、お姉さんと荒川さん、荒川さんの娘さん
女3人で〈お豆の旅〉と姉妹品〈ふたり旅〉をつくっています。
それは闘病中の北村さんに、これだけは続けてほしいと頼まれたから。
自分は治る。そう最後まで信じてはいたものの
「やはり格別な思いがあったんやなと」
いまでも店の台所で〈お豆の旅〉を炊いていると
お兄さんが横にいるような気がするのだとか。
料理を通じて人と人をつなぎ、多くの人に慕われていた北村さん。
〈お豆の旅〉を店の料理としては出さず、持ち帰り専用としたのも
いろんな人の食卓に届けられたらええなと思ったからだそう。
“お豆が湯葉となり旅を続けるうちに
 椎茸や山椒、ちりめんじゃこと巡り逢い
 佃煮となったのでございます“
軽やかに楽しげに、口上を告げるご主人の思いとともに
日本全国の食卓への〈お豆の旅〉はこれからも続くはず。
食べた人の幸せな記憶として生き続けるのでしょうね。

〈北郎〉(京都市/祇園)の〈お豆の旅〉

●お取り寄せデータ

住所:京都府京都市東山区祇園花見小路富永町116

電話:075-541-0816

FAX:075-541-0900

営業時間:10:00~14:00の間が確実 日祝休

※〈お豆の旅〉230gは3240円。来店時は事前予約を。

※JR京都伊勢丹や京都髙島屋などでも購入できる。115g1620円

●便利な常備菜〈にんじんのカレーマリネ〉
にんじんをたっぷり食べたいときに。

にんじんは寒くなるにつれておいしくなる。
でも、もてあまして余らせることってありませんか。
そんなときこそ、常備菜つくりのチャンス。
飛田さんのお薦めはバターで少し甘めに煮たグラッセかこのマリネ。
「普通のマリネでも十分おいしいけれど」
カレー粉を少しだけ入れると、にんじんが苦手な人でも大丈夫。
スパイスがほんのり香って、目先が変わる上に食欲もそそる。
ピクルスと合わせても、良いおつまみになるそうです。
「ウチはね、夫がとにかくカレー好きだから」
缶入りのカレー粉は必需品で、これがとても便利なんだとか。

つくりかたはごく簡単ですが、注意するのは塩加減。
必ず水気をしぼるときに味見をする。
しょっぱいようなら、さっと洗ってください。
ぱりぱりと心地良い歯触りで、あっというまに食べてしまうから
ちょっと多めにつくっておくほうが良さそうですよ。

にんじんのカレーマリネ

●つくりかた

にんじんは皮をむき4~5cmの長さのせん切りにする。

1に塩少々をまぶしてしんなりするまでおく。

2の水気をよくしぼってボウルに入れる。

白ワインビネガーとカレー粉少々を3に入れて30分ほどなじませる。

プルーンを粗く刻んだものを4にふる。

※白ワインビネガーがなければ好みのお酢で大丈夫。

※3の段階で味見をして、しょっぱければ軽く水洗いする。

※プルーン以外に、レーズンやパセリもよく合う。冷蔵保存で日持ちは約5日。

●旬のおつまみ〈焼きとり〉
焼きたて熱々の幸せをおうちでも。

飛田さんの家族はみんな焼きとりが大好き。
焼きたてを買って、お店の前のベンチでよく食べていたそうです。
「でもね、あるとき発見してしまったのよ」
それは、鶏肉コーナーの隅にあった、焼くだけでいい焼きとり串。
なんだ、こんな便利なものがあったのねと
おウチ焼きとりに目覚めた飛田さんは
焼きとり専用の細長い七輪まで買ってしまったほど。
「やっぱりおいしいの、本当の焼きたてで好きな食べ方もできるし」
なかでも、自家製にんにく味噌と柚子胡椒との相性は抜群。

実は、その発見前にも何度か試みてはいたけれど
小さく切った鶏肉を串に刺すのはやはり難しいし手間もかかる。
飛田さんでも上手にできなかったそうです。
「ま、これも焼くだけだから料理研究家としてはどうかしら(笑)」
そういいつつ、アスパラやししとうも串に刺していく飛田さん。
なるほど、これなら色合いも美しいしおもてなしにも良さそう。
炭火でなく、フライパンや魚焼きグリルでも問題なし。
フライパンで焼くときは皮の方から焼くと油なしでもひっつかないそうです。

味付けはシンプルに塩だけにしておいて
あれこれ好みの調味料でいただけるのも、家ならではの楽しみ。
もちろん、すだちをしぼってさっぱりいただくのも良さそう。
焼きとり串を見かけたら、ぜひ試してみてくださいね。

焼きとり

●つくりかた

アスパラをししとうの長さに合わせて切る。

1を竹串に刺す(鶏肉が刺さった串に刺してもいい)

焼く前に2と「焼きとり串」に塩をふる。

グリルパンかフライパンで3を片面ずつじっくり中火で焼く。

つまんで鶏肉がしまってしっとりしていたら焼き上がり。

にんにく味噌、柚子胡椒、七味、一味唐辛子などでどうぞ。

※スーパーなどで売っている「焼きとり串」(鶏肉が刺してあるもの)を利用して。魚焼きグリルで焼くときは、串の持ち手部分にアルミホイルを巻くと焦げない。

※にんにく味噌は味噌にすりおろしにんにく少々を混ぜる。味噌に皮をむいたにんにくを埋めたものを常備しておくと便利。スティック野菜につけたり、炒めものの味つけなどに幅広く活用できる。

●きょうの和酒 宝焼酎25度
秋の夜長はすだち割りとともに。

すだちをさんまの相棒だけにしていたらもったいない!
ピュアな甲類焼酎&炭酸水とも抜群の相性なのです。
すっきりまろやかでクセのない宝焼酎のハイボールに
ぎゅっとしぼると、最初に香りがふんわり広がって
上品な酸味で宝焼酎の甘味もひきたててくれる。
つややかな緑を目でも楽しめるように
スライスか、櫛型に切ってグラスに入れてもいい感じ。
まさにいまの時期ならではの「旬割り」ですね。
すだち割り片手に、ゆっくり秋のイエノミを楽しんでみてください。

宝焼酎25度 600ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/index.htm

profile

KAZUWO HIDA
飛田和緒

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

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