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きょうのイエノミ
旅するイエノミ
スパークリング清酒と、
厚岸(あっけし)の牡蠣

宝酒造 × colocal
和酒を楽しもうプロジェクト
vol.007

posted:2014.2.15   from:神奈川県横須賀市  genre:食・グルメ / 買い物・お取り寄せ

sponsored by 宝酒造

〈 この連載・企画は… 〉  伝統を継承するということは、昔のものをそのまま受け継ぐだけではありません。
わたしたちの生活に合うよう工夫しながら、次世代に伝えることが、伝統を守ることにつながります。
酒造りの伝統を守りつつ次世代につなげる宝酒造と、
ローカルな素材を活かしてとっておきのつまみを提案するcolocalのタッグで
「きょうのイエノミ 旅するイエノミ」はじまりはじまり。

仕事を終えたご褒美はおいしいお酒とおつまみ。
リラックスしたいなら、きょうはイエノミにしませんか。
神奈川県・横須賀市在住の料理研究家・飛田和緒さんに教わった、手軽で簡単、
しかもちょっとした旅気分が味わえる日本各地のおいしいものと
三浦半島の旬の食材を使った、和酒に合うおつまみを季節感たっぷりにご紹介していきます。

2月も立春を過ぎれば、もうそろそろ春の気配。
料理研究家・飛田和緒さんも次第にそわそわし始めます。
家から見える海が柔らかな色合いになってきたら
気になるのがお雛さまを飾るタイミング。
そういえば、昨年末「和食:日本人の伝統的な食文化」が
ユネスコ無形文化遺産に登録されましたが
飛田さんも日本の伝統的な行事食はきっちりと作ります。
なかでも、どんなに忙しくても毎年楽しみにしているのが
「桃の節句」にいただく「おひなごはん」だとか。

この時期には女ともだちと料理を持ち寄り
「大人女子会」を開くことも多いという飛田さんですが
そんなときに大活躍するのが、北海道の牡蠣と京都のおつけもの。
どちらも早春には欠かせない「これさえあれば」のお取り寄せ定番です。
きょうは「おひなごはん」風にちょっとアレンジしましたが
イエノミならそのまま出すだけでも充分過ぎるほどおいしい。
特に北海道・厚岸(あっけし)の牡蠣は、飛田さんの大好物。
「あればあるだけ、あっというまに食べちゃうから」
あえて小さめのサイズをたくさん取り寄せるという本気モード。
そしてこの牡蠣が、スパークリング清酒とは抜群の相性なんですね。
「日本の牡蠣は、やっぱり日本のお酒に合うと思うの」
それがフランスでも牡蠣を食べまくった飛田さんの感想でした。

●ローカルな逸品「厚岸町・厚岸漁業協同組合の牡蠣」
厚岸の自然が育んだ牡蠣はシンプル・イズ・ベスト。

飛田さんが厚岸の牡蠣を知ったのは20年ほど前。
焼き牡蠣を連載記事で紹介したいと思ったのに
ちょうど時期外れで牡蠣が手に入らない。
でも北海道・厚岸のものなら日本で唯一、一年中食べられると聞き、
あまり期待せずに取り寄せたそうです。
それが実際食べてみてびっくり。
「ものすごくおいしかったうえに、お値段も手頃だったのね」
じゃ、食べたいときに食べられる、バンザーイという感じで
それからずっと、厚岸の牡蠣LOVE状態が続いているそうです。
きょうはまだ寒かったので、レンジの上で焼き牡蠣にしていただきましたが
半レア状態でぷりぷり、ものすごくジューシー!
濃厚な海の味がするから、もちろん調味料なんて必要なし。
「そうでしょ、だから絶対焼き過ぎないでね。中のおつゆもこぼさずに」
だから、殻のふくらんだ方を下側にして焼くのが鉄則。
牡蠣の口がちょっと開いたら、もう食べ頃ですよ。

でもどうして厚岸だけは、一年中牡蠣が食べられるのか?
不思議に思ったので、厚岸漁業協同組合に聞いてみました。
「それはですね、海水温が夏でも低いからですよー」
そう教えてくださったのが、漁協直売店店長の安藤さん。
海水温が低いから、牡蠣の成長は遅いけれども
その分、じっくり育つのでうまみが濃くなるそうです。
「冬は氷の下で育つしね、いわば鍛えられた牡蠣だから」
ちなみに電話をしたときに気温を聞くと
「今朝は15度でしたよ。いまは6度くらいかな」
え? 暖かいですねと驚いたら、なんとマイナス抜きの気温でした。
さすが北海道太平洋岸! 雪は少なめでも寒さは半端じゃないんですね。

でも厚岸の牡蠣のおいしさの秘密はそれだけじゃない。
地形そのものが、牡蠣の養殖にはぴったりなんだそうです。
なかでもびっくりしたのが、その育て方。
厚岸は厚岸湾と、塩分が外海の約3分の1という汽水湖・厚岸湖に囲まれており
ある程度、湾内で成長した牡蠣は湖に移し「味を調えてから」出荷するのだとか。
しかも周辺は見渡す限りの原野と湿原という太古以来の豊かな自然環境。
「孫や子のためにも、この自然を守らないとね」と安藤さん。
厚岸という地名も、アイヌ語の「アッケケシ」
「牡蠣の多いところ」という言葉からきています。
なるほど、大自然の恵みを人が大切に育んだのが厚岸の牡蠣なんですね。
いまでは「カキえもん」というブランド名でも知られていますが、
なんでも直売店の店内には電子レンジやお皿、ラップも用意され
買った牡蠣をその場で手軽に食べることができるのだけれど
特に真夏のお盆の頃(!)は、ものすごい大行列ができるんだとか。
うーん、日本も広い、さすが北海道だと思いませんか?

『厚岸漁業協同組合』(北海道/厚岸町)の牡蠣

●お取り寄せデータ

住所:北海道厚岸郡厚岸町港町5-3(直売店)

電話:0153-52-0117

FAX:0153-53-3200

営業時間:9:00~17:00 無休

Webサイト:http://www.a-uroko.or.jp

※カキえもんは1個180円から。生食がお薦め。
マルえもんは1個120円から。焼き、蒸しがお薦め。

●便利な常備菜「ひじきの五目煮」
春を告げる三浦ひじきは華やかな五目煮で。

思わずおおーっと歓声があがったのがこちら。
黒っぽくて地味な存在だと思っていた「ひじき」だけど
春らしい緑の豆が加わると、ものすごく華やいで見える。
きょうは旬のグリーンピースをさっと塩ゆでして使いましたが
ひじきの煮物って実は何を入れてもいいんですね。
しかも多めに作っておけば「ものすごく便利よ」と飛田さん。
ごはんに混ぜこんでとろとろ卵をのっけたひじきオムライス。
オリーブオイル、ニンニク少々と一緒に炒めてひじきスパゲティ。
それならたっぷり作っても大丈夫、冷蔵庫にあると思えば心強いかも。
飛田さんの「ひじきの煮物」は砂糖を入れたり炒めたりしない。
鶏出汁ベースだからコクはあるけどあっさりしたお味なので
他の料理にもアレンジしやすいのかもしれません。
また、ここ三浦半島では春になると釜揚げひじきが手に入る。
柔らかだし風味が良いのでサラダや酢のものにしてもおいしい。
「早く新玉ねぎと合わせた甘酢サラダが食べたいな」と
海辺が釜揚げの湯気で活気づく季節を待ち望む飛田さんです。

ひじきの五目煮(常備菜)

●つくりかた

乾燥ひじきはさっと洗い、たっぷりの水で戻す。

下ゆでしたコンニャク、皮をむいたニンジンを8mm角に切る。

鍋に水気をきった1と2、水煮缶詰の大豆を入れる。

3に鶏出汁をひたひたに入れて中火にかける。

煮立ったら醤油を加えて落としぶたをし、弱めの中火で煮る。

さやから出して下ゆでしたグリーンピースを5に加える。

そのまま冷まして味をなじませる。

※日持ちは冷蔵保存で約3日間。ときどき火を入れ直すと持ちがよくなる。
鶏出汁を簡単に作るなら鶏ガラスープの素を使って。

●簡単おつまみ「つけものすし」
京つけもの×酢飯で雅なおつまみに。

「桃の節句」に絶対欠かせないのがちらし寿司。
80歳になっても作り続けようと思っている飛田さんですが
「早い話、酢飯自体が好きなのよね」と
普段から気軽に酢飯を作っていただくことも多いとか。
たとえば小さなひとくちサイズに握って
お気に入りの京つけものを載せると、可愛らしいおつまみに大変身。
さっぱりめの酢飯と、つけものの自然発酵由来の優しい酸味が実によく合うんです。
きょうは「千枚漬フリーク」飛田さんお気に入りの
京都『たかしん』から取り寄せたつけものを使いましたが
「家にあるものならなんでもいいわよ」とのこと。
白菜漬、沢庵、野沢菜、味噌漬、しば漬、糠漬など
冷蔵庫であまっているものを、いろいろと試してみてくださいね。
ただ、おもてなしならおつまみとして最初に出しちゃって。
「じゃないと、ずっと握り続けて、お酒が飲めなくなるの」
って、飛田さん、やっぱり相当イケるクチですよね。
そもそもスパークリング清酒や日本酒も米を発酵させたものだから
酢飯や発酵食・つけものと相性がいいのは当たり前かも。
発酵×発酵の和食ならではのマリアージュをぜひ楽しんでください。

つけものすし(簡単おつまみ)

●つくりかた

昆布を入れて米を炊く。

つけものを適度な大きさに切り、固まりなら薄切りにする。

1が炊けたらご飯を飯台に移す。

3にすし酢を回しかけ、しゃもじで切るように混ぜる。

4をひとくち大の俵型に握る。

5に2のつけものを載せて軽く握る。

※飯台がなければ大きめのボウルで代用するか、すし酢で炊きこんでもいい。
すし酢の割合は酢と砂糖同量に塩少々。市販のものを使えば簡単。

●飛田さんのお気に入りつけもの店。

京つけもの たかしん(京都市/左京区)

住所:京都市左京区聖護院川原町13

電話:0120-77-5930

FAX:075-771-2600

営業時間:8:00~19:00 無休

Webサイト:http://www.cyu-ou.com/takasin/

※千枚漬は3月末まで。

●きょうの和酒 松竹梅 白壁蔵 「澪」(みお)スパークリング清酒
乾杯はお米から生まれたスパークリング清酒で。

米と米麹でちゃんと造られた日本酒をより飲みやすく気軽に楽しんで。
そんな思いから「白壁蔵」で開発されたスパークリング清酒「澪」は
昨年9月に販売ルートが拡大されて以来、多くの人々に親しまれてきました。
アルコール分は5%と控えめながら、お米本来のほのかな甘みとほどよい酸味、
きれいな泡、軽やかな飲み心地と美しいブルーのボトルで
ちょっと華やかに演出したいイエノミやパーティにぴったりです。
この「澪」は、いま日本以外の世界の街でも大評判。
「ユネスコ無形文化遺産」に登録された「WASHOKU」の広がりとともに
飲みやすい日本のお酒として、認知度も高まってきています。
ならば私たちも、伝統的な行事やお祝いの席ではもちろん
日々の暮らしのさまざまな「うれしい瞬間」を
お米から生まれた和酒・スパークリング清酒「澪」で乾杯しませんか。
お気に入りのグラスで、泡の心地良さを存分に楽しんでくださいね。

松竹梅白壁蔵「澪」(みお)スパークリング清酒 150ml 300ml 750ml

○問合せ先/宝酒造株式会社

お客様相談室

TEL 075-241-5111(平日9:00~17:00)

http://shirakabegura-mio.jp/

KAZUWO HIDA
飛田和緒さん

1964年東京生まれ。8年前からレーシングドライバーの夫、娘の花之子ちゃん、愛猫のクロと南葉山で暮らす。東京時代の便利な生活から一変し、早起きが習慣に。ご主人が仕事で留守がちなため、仕事はもちろん、買い出しやお弁当作りにと忙しい日々を過ごしている。毎日の食卓で楽しめる普段着の料理が得意。高校3年間を長野で暮らした経験もあり。

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