colocal コロカル マガジンハウス Local Network Magazine

連載の一覧 記事の検索・都道府県ごとの一覧

連載

実は知らずに食べているかも?
愛媛県を代表する栗の産地
西予市城川町で育つ〈城川栗〉

愛媛県 × colocal
えひめスイーツコレクション
vol.013

posted:2016.3.1  from:愛媛県西予市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

sponsored

〈 この連載・企画は… 〉  愛媛のフルーツ、おいしいのは柑橘だけではないんです!  
イチゴ、柿、栗、キウイなども実は愛媛の銘産です。
愛媛県産フルーツの生産者さんたちを訪ね、愛情をたっぷり注がれて育つフルーツを見てきました。
さらに、秋から冬にかけてぐっとおいしくなる愛媛県産フルーツを使った、
松山市と東京のスイーツ店もご紹介します。

writer profile

Miki Hayashi

林 みき

はやし・みき●フリーランスのライター/エディター。東京都生まれ、幼年期をアメリカで過ごす。女性向けファッション・カルチャー誌の編集を創刊から7年間手掛けた後、フリーランスに。生粋の食いしん坊のせいか、飲料メーカーや食に関連した仕事を受けることが多い。『コロカル商店』では主に甘いものを担当。

credit

撮影:小川 聡
Supported by 愛媛県

生まれ育った地元で加工され、各地へと旅立つ城川の和栗

愛媛県の山間部、伊予市中山町で育てられた中山栗が使われたスイーツを
前回ご紹介しましたが、
中山町と並んで愛媛県を代表する栗の産地として知られているのが西予市城川町。
四国山脈と支脈に囲まれたこのまちには、
全国でも珍しい地元産の栗を収穫直後に加工できる施設があるのです。
今回は城川町で城川和栗の生産から、
栗製品や業務用製品の製造・加工を手掛けている株式会社城川ファクトリーをご紹介します。

緑あふれる城川町にある加工場。

取材で訪れたのは製造と加工を行う城川自然農場の第二加工場。
こちらでは栗だけではなく、柚子やたけのこ、梅などを使った製品もつくられています。
「この工場ができたのは10年くらい前ですね」
と教えてくれたのは工場長の伊勢本友和さん。
「お客さんからの受注に対して対応できるように、
力を入れて城川和栗をアピールしていこうと現在のかたちになりました」

工場内の様子。機械だけでなくより品質を高めるために一部手作業で行われます。

こちらの工場で主につくられている栗製品は、製菓の材料などに使用される栗のペースト。
「オーダーによって多少は配合が変わってくるのですが、
添加物はいっさい使用しておらず、本当に栗と砂糖だけです」と伊勢本さん。
栗といえば秋の味覚というイメージがありますが、
城川和栗の収穫時期が終わるのは10月の第1週頃と意外と早め。
そして収穫したばかりの栗には風味はあるものの、甘みがないのだそう。

「収穫をしたら、低温の冷蔵庫で加工をするまで生栗を寝かせるんです」
と伊勢本さん。この寝かせる作業によってでんぷん質が糖分へと変化し、甘みとなっていくのです。
寝かされた生栗は加工前に洗われ、ケースごと蒸し器へ運ばれます。

城川和栗からつくられた栗ペースト。添加物は一切使用されておらず、原料は栗と砂糖のみ。

栗が蒸し上がるとまず機械で皮が剥かれ、さらに渋皮も取られてから裏ごしされ、
窯で砂糖と一緒に炊かれてペーストへと加工されていきます。
「それを袋づめして冷凍するんです」

こうして完成した栗のペーストは、事前注文者の元へと出荷されていくのですが
「城川の栗は、東京や大阪の都市部のお店をはじめとして、
百貨店や空港などにも展開しているんです」
と企画開発の村田博史さん。
味わいに定評のある城川和栗、気づかないうちにそのおいしさを楽しんでいるかもしれません。

見学させていただいた工場から歩いて行ける距離にあるのが、
城川ファクトリーが運営する道の駅〈きなはい屋しろかわ〉。
こちらでも城川和栗を使った製品が販売されているというので訪ねてみました。

次のページ
“量より質”の栗まんじゅう

Page 2

見た目とは裏腹に、実は繊細な栗

城川和栗を使った製品だけでなく、
城川自然牧場でつくられる地豚を使用したベーコンなど
城川町の特産品が販売されている道の駅〈きなはい屋しろかわ〉。
店内の奥にある加工場をのぞくと、ちょうどスタッフの方々によって
栗まんじゅうがつくられているところでした。

〈きなはい屋しろかわ〉の厨房の中。お店のスタッフは全員女性なのだそう。

つくられていたのは城川和栗の甘露煮を丸ごとひと粒白餡で包んだ〈想い栗〉と、
少量のブランデーを加えた渋皮煮を使った〈想われ栗〉。
「栗の大きさがひとつひとつ違うので、おまんじゅうとしての大きさをそろえるために、
餡を丸めるのも栗を生地に包むのも、手作業で行っています。
機械の作業に頼れないから、たくさんの量はつくれないんですよ」

人気商品の〈想い栗〉。通販でも購入可能。

栗に少量の砂糖のみ加えてつくられた〈栗きんとん〉。完全無添加で、栗の旨味を余すことなく味わえます。

「意外と栗って繊細なんです」と話す伊勢本さん。
「おいしい栗が実るかどうかは土壌次第なのですが、
雨や霧の量とか天候に左右されるんですよ。
品種によっては樹から落ちやすいものもありますし。
あと収穫前に“今年はこれくらい穫れそうだ”といった情報はある程度入ってくるのですが、
最終的には台風次第になってくるんですよ。
2015年は、数は穫れたけど粒が小さかったですね。
やっぱり自然のものですからね、難しいんですよ」

またかたちのいい栗を実らせるのに大切な作業となるのが剪定。
まだまだ寒い1月から2月にかけて剪定師さんが枝がどう伸びるかを見極め、
枝を一度落とす作業が行われるのですが、
この時から秋に良質な栗が実るかどうかが決まってくるのだそう。
今年は城川町にどんな栗が実るのか? 半年後の秋を、どうぞお楽しみに。

information

Tags  この記事のタグ

Recommend