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連載

勝手に作る商店街サンド:
バラの香り漂う
広島県・福山駅前商店街

LOVE、商店街
vol.016

posted:2017.1.17  from:広島県福山市  genre:食・グルメ / 活性化と創生

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〈 この連載・企画は… 〉  ひとつの商店街(地域)をねり歩きながら、パンと具材を集めて勝手にサンドイッチを作る旅。
そこでしか食べられないオリジナルなサンド、果たしてどんなものができるのか?

writer profile

Kozakai Maruko

小堺丸子

こざかい・まるこ●東京都出身。読みものサイト「デイリーポータルZ」ライター。江戸っ子ぽいとよく言われますが新潟と茨城のハーフです。好きなものは犬と酸っぱいもの全般。それと、地元の人に頼って穴場を聞きながら周る旅が好きで上記サイトでレポートしたりしています。

商店街サンドとは?

「商店街サンド」とは、
ひとつの商店街(地域)で売られているパンと具材を使い、
その土地でしか食べられないサンドイッチを作ってみる企画。
必ずといっていいほどおいしいものができ、
ついでにまちの様子や地域の食を知ることができる、一石二鳥の企画なのだ。

アクセスがよくなった広島県へ!

2016年3月に〈中国やまなみ街道〉が全線開通した。
瀬戸内海をのぞむ広島県尾道市から、日本海の見える島根県松江市がつながり
その間なんと約80分も短縮されたそうだ。

今回は、そんな交通の便がよくなった広島県の
福山市でオリジナルサンドをつくることにした。

福山市は広島で2番目に人口が多く、
世界最大規模の製鉄所〈JFEスチール〉があったり、
デニムなどの繊維業が盛んである。
また観光地としては、
かつて坂本龍馬率いる海援隊の〈いろは丸〉が沈没し、
交渉のために滞在したという鞆の浦(とものうら)が有名だ。

福禅寺から見た鞆の浦の景色。誰もが見とれる絶景ポイントです。

バラのまち福山市でサンドを作る!

また、福山市といえばバラのまちでもある。
市の中央エリアにある福山駅周辺は
至るところにバラが咲いているのだ。

これは、福山空襲でまちの8割が消失してしまった際、
「まちに潤いを与え、心に和らぎを取り戻そう」と
住民たちがバラを植えたのが始まりだそうだ。
そのためいまでは一年中バラが咲いてる。
なんてすてきな試みだろう。

福山駅前はバラがたくさん植わっている。今日一緒にまわってくれる福山商工会議所の藤本 邦明さんと。

駅の北側には徒歩0分のところに福山城、
そして、南側には大型デパート〈天満屋〉がシンボルとして建っていた。
その天満屋の奥に、割合大きな商店街が広がっている。

駅前のシンボル、天満屋。この奥に商店街が広がっている。

まちの印象としては昔ながらの風情、というのはほとんどない。
車利用が多いためか通りは広くとられていて、
とてもきれいに整えられたまちという感じだ。
商店街も同じく、きれいで落ち着いている。
夜から開くような飲み屋さんが多い通りもあるようだけれど
洋服店や雑貨店などもたくさん並んでいた。

案内していただきながらまわる。

カープファンが集まる居酒屋さん

しばし歩くと、赤い看板が目立つお店を発見。
広島東洋カープファンが夜な夜な集まるという〈いろはのゐ〉である。
(訪問時はセリーグ優勝を記念し、店名を〈カープのか〉に一時的に変更。)
中には大きなモニターがあり試合も見られるようだ。
黒田選手のヤンキース時代のユニフォームが飾られていたり、
カープの歴史が壁に書かれていたりして
ファンにはたまらないお店である。

広島らしいお店を発見!

中もとにかく赤。昨年25年ぶりにセリーグ優勝した時はさぞ盛り上がっただろう。

ちょうどランチタイムが始まったところのようで、
特別に持ち帰れそうなお惣菜をいただくことに。
出てきたのは、カープのお店らしく真っ赤な〈赤てん〉だった。

赤てんといえば、島根県の浜田市の名物で
赤唐辛子が入った魚の練り物である。(商店街サンド第1回に出てくる
きっとお隣の県ということで広島でも馴染みがあるのだろう。

大きい赤てんがでてきた。

カープのお店なので、島根のものよりも赤唐辛子が多めな気がする!

ちょうど、〈中国やまなみ街道〉でつながれた広島と島根がコラボしたかたちだ。
さっそくいいものをゲットできたぞ。

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引き続き、パンとお惣菜さがし!

Page 2

カープのお店からまっすぐ行くと、
〈パンマルシェ キュイキュイ〉という小さなパン屋さんを発見。
レジの手前両側にパンが並び、
奥にはイートインコーナーがある。
店員さんの意見を聞きながら、
食材を挟みやすそうな五穀パンと、
ちょっと変わった形のパンを購入した。

かわいらしいパン屋さんがあった。

いい色に焼けてます。

ちなみにパンを買うとコーヒーが1杯無料だそう。

そしてこれまた同じ通りを進んで行くと、
小さいスペースがあり、お母さんたちが何やら売っているのが見えた。
パンやのり巻き、おでんなど、自家製の食材や
地元でとれた野菜なんかを売っているようだ。

毎週木曜日だけ、朝から16時頃まであけているという。
これは買うっきゃないぞと吟味し1品購入。

ほうじ茶をすぐさま入れてくれたお母さん。

パンやのり巻き、おこわなど。サンドはできないけどおいしそう!

「おでんに油浮いてないやろ」とお母さん。しっかり手間をかけているそうだ。

いつもよりもかなり順調に食材が集まっている。
だが、藤本さんによるとここから先は
テイクアウトできるようなお店や食材を扱う商店があまりないという。
食材を買う場合はみんな天満屋(前ページに出てきたデパート)や
駅前の再開発ビルに入ったスーパーなどへ行ってしまうからだ。

しかし途中立ち寄ったお花屋さんで
地元で人気の魚屋さんを紹介してもらうことができた。
とれたての魚をフライにして出しているというのだ。

地元で人気の魚屋〈島田活魚店〉へ

フライがあると聞いてやってきたが……

が、行ってみるとすでに売り切れ。
パンに挟めるものはほかにないかと必死に店内を見渡していると
時間をくれればなにか揚げとくよ、と大将が言ってくれた。
やった!
その間にほかの通りもまわってみよう。

シャッターが目立つ通りもあるけど、途中途中きれいなバラに癒される。

すごく古そうなガムの販売機発見! ふつうに買えて興奮。

広い商店街で3か所ほど、このように発泡スチロールに入ったお惣菜を見かけた。近所の人が買いに来るそう。

どこも当たり前のように入っていたおでん。人気なんだな。

福山市に住む人なら誰でも知っているという食堂〈稲田屋〉さんは残念ながら休み。

平日なのに女性たちによる長蛇の列があった。何かなと思ったら有名な占い師がいるそう。なんと4時間待ち!

10も通りがある!

この商店街のおもしろいところは、
通りによって雰囲気が一変するところだ。
なんてことのない通りもあれば、今どきっぽい通りもある。
閑散としている通りがあれば、賑やかな通りもある。
ちょっと曲がれば昔ながらの雰囲気が残っていたりもする。
こんなにハッキリ違いが出るのは珍しいかもしれない。

これまたきれいな通り。市制100周年を記念して新しくしたそうだ。

品揃えのいい珍味屋さん〈佐久間珍味〉を発見! 

しかし地方のものを取り扱うアンテナショップだった。

一番売れているのは石川県産のカタクチイワシを使った〈しらすせんべい〉だそうです。

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今までで一番ゴージャスなサンドができた!

Page 3

そういえば、広島といえばお好み焼きが有名だけど
この商店街には3軒ほどしかなかった。
かわりに〈うずみご飯〉という、
ご飯の下に豪華な具材を隠した郷土料理があるそうだ。
また、お正月によく出される〈クワイ〉も福山市の名産。
“芽が出る”ことから縁起の良いものとされ、
うずみご飯の中にも入れられているという。

郷土料理〈うずみご飯〉のポスター。贅沢をしてはいけなかった時代、ご飯の中に具材を隠していた。

福山市が日本一の生産をほこるクワイ。訪れたときは季節外れだったが居酒屋さんが冷凍していたものを解凍して見せてくれた。里芋のような味がするらしい。

とまあウロウロとしていたらタイムアップ。
魚屋さんのところへ頼んでいた揚げ物を取りにいき、
ついでにパンに切れ目を入れてもらった。

魚包丁でパンに切れ目を入れてもらう、貴重な図。

今回集めることのできた食材はこちら!

左上から時計回りに、
カープ居酒屋で手に入れた真っ赤な赤てん、
お花屋さんで買った真っ赤なバラ、
パン屋さんで買った五穀パン、
魚屋さんで揚げてくれた瀬戸内海のハモのフライ、
外で売られていたお母さん手づくりのゴーヤのツナサラダ。

福山城の敷地内でバラに囲まれながらサンドづくり。

完成! バラのおかげでいつもよりゴージャスになった!

情熱的な福山サンドができた!

今回は福山らしく、そして広島東洋カープをイメージさせる
真っ赤なバラを添えてみた。

ちなみに下に敷かれているのもパンである。
バラの模様に似ているなと思い
買っておいたのである。

クリスプ状になっているお皿パンを敷いた。本来は小さいパンがこの上に乗って販売されている。

いただきます! うん、最高にうまい!

食べてみるとやはり、ピリっと辛みのきいた赤てんが主役といった感じだった。
ビールを流し込みたくなるような、刺激的な味である。
そこにふっくらやわらかく揚がったハモが上品においしさを後押し。
白身魚特有の淡泊な味が、赤てんと対照的でおもしろい。
最後に、それら口の中に広がる日本海と瀬戸内海の海の幸を
ほんのりと苦いゴーヤのサラダがサッパリとまとめあげていた。
入り口はビールの似合う庶民的な味だったのに、
気づけば丸の内OLが好きそうなヘルシーな食後感。
それは、居酒屋の多い通りを歩いてたはずが、
いつの間にかきれいな通りを歩いていたような
今回の商店街の様子と似ていて、多様性を感じさせられた。
ふかふかの五穀パンもとても合う。

藤本さんは「もう少しタレ要素が欲しいかも」、とはじめ言っていたが
噛み締めているうちに練り物の奥行きのある旨みや
ゴーヤに絡んでいたマヨネーズの酸味がじんわりと利いてきて
これはこれで完璧ではないかと思わされた。
ああ、、幸せだ。

それに、バラをひとつ添えるだけでも
こんなにもサンドが華やかになるのだと知った。
長年にわたりまちの人たちを見守っている福山市のバラは、
商店街サンドの新たな見せ方をも提供してくれたのだ。

昨年大活躍を見せたカープのお店、赤てんの唐辛子、そして真っ赤なバラ。
どれも情熱的で、元気が湧いてくるサンドであった。

●福山市駅前商店街サンドレシピ

・いろはのゐの赤てん1枚…390円

・パンマルシェ キュイキュイの五穀パン(3個入り)…247円

・露店のゴーヤサラダ…150円

・島田活魚店のハモ…300円

・小林生花店のバラ…300円

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合計 1387円

商店街サンド #13 -- Spherical Image -- RICOH THETA

ドラッグで画像が360度回転します。

Information


map

福山駅前商店街

住所:広島県福山市

Webサイト:福山市ホームページ

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