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無人なのにリピーター続出!?
天理市〈せんぎりや〉
日本最古のハイキングコース
にある無人販売所

コロカルニュース
vol.2096

posted:2017.5.23  from:奈良県天理市  genre:活性化と創生 / 旅行

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

奈良県北部の天理市に、日本最古の道といわれているハイキングコースがあります。
その名も「山の辺の道」は、北は奈良から南は三輪山の麓まで、
山裾を縫うように続く道。
その道程には『記紀』『万葉集』ゆかりの地名や、旧跡、
社寺、古墳がたくさんあります。

しかもうわさによれば、超個性あふれる無人販売所もあるとのこと。
そうと聞いては、行かないわけにはいきません。
コロカル一行、山の辺の道をゆき、うわさの無人販売所
〈せんぎりや〉の店主にお会いしてきました!

〈せんぎりや〉店主の仲谷一之さん。仲谷さん節が炸裂するインタビューは次ページにて!

昔からたくさんの人が足跡を重ねてきた山の辺の道。
せっかくいくなら、その道のりを辿ってみたいものです。
というわけで、スタート地点の天理駅にやって来ました。(※1)
駅前には、2017年4月にオープンした話題の〈天理駅前広場 コフフン〉があります。

〈天理駅前広場 コフフン〉Photo : Takumi Ota

今回は駅前で自転車を借りられると聞き、自転車でいくことに。
こちらの〈吉本サイクル〉でレンタルしているのは、なつかしのママチャリです。

駅前にある吉本サイクル。自転車はコフフン内にある〈バイシクルカラー奈良天理店〉でも借りられます。

それではいざ、いにしえの古道をめぐる旅へ。
駅前から東の山の方へ向かって自転車をこいでいくと、
やがて大きな建物が姿を消し、小さな民家や畑が増えてきました。
小さな道に入り坂道を上りきると、森の奥に神社が。
ここは、日本最古の拝殿をもつ〈石上(いそのかみ)神宮〉。
古代へと通じる道の入り口です。

〈石上神宮〉このまちへ来るとよく「日本最古の」という言葉を聞きますが、天理市は古代大和時代にヤマト政権がつくられた場所。永い歴史をもつ場所がいたるところにあるんです。

その後は山を下ったり、畑のあいだにある急な坂道をのぼったり。
ママチャリでもいける所なら楽勝と思っていたら、ちょっと甘く見ていました!

木の下は涼やか。太古の森が体の熱を冷ましてくれるようです。でも、途中には日を遮るものがない場所も。夏場は日射病にご注意を。帽子は必須です。

その後は〈天理観光農園/CAFE WAWA〉でひと休み。

〈天理観光農園/CAFE WAWA〉石窯ピッツァやフレッシュジュースを楽しめます。季節によってきんかんやみかん、ブルーベリーなどの収穫体験もできるのだそう。

それからしばらく進んでいくと、
珍しい茅葺き屋根の拝殿がある〈夜都伎(やとぎ)神社〉があり、
その辺りから静かな集落に入りました。

突き当たりに見えるのが〈夜都伎神社〉の鳥居。神社のまわりに木々が集まり、小さな森のようになっています。お社を守る鎮守の森とは、このこと。

辺りにあるのは、歴史を感じる家々と田んぼ、草むらのみ。
温かい空気に包まれ、どこかなつかしさを感じさせます。

※1 山の辺の道のハイキングコースには天理駅から奈良市に通じる〈山の辺の道 北コース〉と櫟本から奈良市に通じる〈伝・山の辺の道コース〉、天理駅から桜井駅に通じる〈山の辺の道 南コース〉があります。今回訪れたのは南コースです。

撮影:出地瑠以 ※天理駅前広場 コフフンの写真を除く

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うわさの無人販売所店主・仲谷さんに遭遇!

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いらっしゃいませ、おかえりなさいと語りかけてくる道

静かな集落を進んでいくと、とつぜん無人販売所を発見。
お米や葉タマネギ、里芋などが並んでいます。
この辺りには、なぜか無人販売所が多いのだとか。
昔から多くの人が訪れた山の辺の道には、
おもてなしの文化が根づいているのでしょうか。

さらに自転車をこいでいくと、
ついにうわさの無人販売所〈せんぎりや〉さんに到着!

入り口の看板や貼り紙から、既に個性が溢れ出ています。
なかに入ると、メイン商品の「せんぎり大根」や小豆、玄米、タケノコなどがいっぱい。
奥には休憩スペースもあります。

ここのすごいところは、アイスクリームやビールまで販売されており、
休憩スペースで自由にくつろいでいいこと。
お金は料金箱に入れるようになっていますが、
防犯装置のようなものはありません。何とも寛大です。

そうこうしているうちに、お店の方が出てきてくださいました。
こちらが店主の仲谷一之さん(64歳)。

仲谷一之さん。

いつもつくっているもの、いつも食べているものをお店に

なぜ無人販売所を始めたのかを聞くと、次のようにお話ししてくれました。

「私は農家としては3代目なんですけれど、
もともとは左官屋の職人ですねん。
せやけど病気をして、まぁなんとか生きていければ結構やなあと思って、
この仕事に切り替えたわけです。
土地を放っておいたらあきません」

そうして、いまから10年以上前に農業と無人販売所を始めた仲谷さん。
当初はお店の名前にもなっている「せんぎり大根」の販売から始めました。

「そのせんぎり大根が売れていきまして、
これならやっていけるんちゃうか、といって
乾燥芋茎(ずいき)や切り干し大根も売り始めました。
ほんなら、それも適当に売れていきまして」

乾物のつくり方には、お母さんの経験が生かされているのだそう。
ところで、非常によく似たせんぎり大根と切り干し大根。
一体何が違うのでしょうか?

「せんぎり大根は機械でザーッと切って、バーナーを使って一昼夜で乾かします。
切り干し大根の方は包丁で切って、天日干しにして蒸しています。
蒸さないとこの色は出ません。
なぜか大阪方面の方にはせんぎり大根が売れて、
京都方面の方には切り干し大根が売れます」

せんぎり大根は、仲谷さんが
「これやったらいけると思った」という自慢の一品です。
せんぎり大根と切り干し大根をつくるのは、冬の仕事。
春から秋にかけては、田んぼ仕事が忙しくなります。

「お米はなるべく農薬を使わずに育てて、
大阪や全国へ直接宅配しています。
直接なら、自分で値段をつけられるわけです。
人に値段をつけてもらっていたらあきません」

休憩スペースには、お客さんがコメントを書けるノートが。ここに書かれたリクエストから生まれた工夫もあるそう。無人販売所だからこそ、お客さんと仲谷さん一家をつなぐ大事なノートです。

お客さんのことを考えて椅子やビールなどを置くうちに、
お客さんが増え始め、テレビの取材などもくるように。
仲谷さんのことを「おっちゃん」呼び、
何度も来てくれる人もいるといいます。
仲谷さんは「せやから思いつきで始めた商売やけど、
これでええかなと思って」とつぶやくように語ります。

お店の人がいてもいなくても、なんだか温かみが伝わってくる、無人販売所。
無人といいつつ、仲谷さんにはぜひいてほしいせんぎりやさんなのでした。

お米から自家製の揚げおかき。おいしいです!

山の辺の道の見どころは、ほかにもたくさん。
紅葉100選にも選ばれる長岳寺や、
豊かな森を育くむ大和朝廷創始者のお墓、崇神天皇陵(行燈山古墳)、
三輪山を御神体とする大神(おおみわ)神社なども素晴らしいのだとか。
いつかまた、ぜひ訪れたいと思いました!

天理駅から山の辺の道へいく場合は、駅前の
〈インフォ&ラウンジコフン〉内にある観光インフォメーションが便利です。
せんぎりやさんの場所も教えてくれますよ。
いまも昔ながらの暮らしが息づく、山の辺の道。
ぜひめぐって、太古の温かさを感じてみてください。

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せんぎりや

住所:奈良県天理市乙木町236

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インフォ&ラウンジコフン

住所:奈良県天理市川原城町803 天理駅前広場

インフォメーション:9:00〜16:00(季節により変動あり)

パークサイドキッチン:11:00〜22:00

バイシクルカラー:平日12:00〜20:00休日11:00〜20:00

Web:天理駅前広場 コフフン

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