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ワークショップ形式で作った
おしゃれな冊子「TALIRU」
足利市のいいところを
地元民が伝える。

コロカルニュース

posted:2015.6.29   from:栃木県足利市

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

writer profile

Akiko Saito

齋藤あきこ

さいとう・あきこ●宮城県出身。図書館司書を志していたが、“これからはインターネットが来る”と神の啓示を受けて上京。青山ブックセンター六本木店書店員などを経て現在フリーランスのライター/エディター。

「東の小京都」とよばれる古都、栃木県の足利市。
ここには、大日さまの愛称で親しまれる国宝「鑁阿寺」があり、
その周辺は路地に石畳が敷かれ、古い建物が点在する趣深いエリア。
別名「石畳エリア」と呼ばれます。
この「石畳エリア」で活動する地元の団体「いしだたみの会」が、
足利の魅力を伝える冊子「TALIRU」を刊行しました。
とてもスタイリッシュに、足利の歴史や建物、路地裏、食文化、人などを
伝えています。
住んでいてもなかなか知ることのできない
マニアックな内容と、洗練されたデザインが素晴らしい一冊。

「いしだたみの会」は、もともと
昭和の終わりころに始まった「いしだたみ整備事業」で発足した会。
石畳エリアでお店をやっていたり、住んでいる方で構成されています。
平均年齢は60代から70代。
普段は蔵の保存活動やばんな寺のライトアップ事業・鎧行列の
かがり火などをしています。
果たしてどうやって「TALIRU」が作られたのか、
制作メンバーの「mother tool」中村さんにお話をお伺いしました。

ーーこの冊子をつくるきっかけは?
「2年前、足利市都市計画課から「石畳エリア」の
景観まちづくりの協働事業に
関わってほしいという依頼を頂きました。
そしてmother toolも参加する「いしだたみの会」と協働事業を
行うことになったんです。
初年度は「2030年のいしだたみエリアを考える」というテーマで、
まち歩きや座学など1年かけてワークショップを行いました。
高校生から70代までと幅広く参加していただき、
みんなでこれからこのエリアをどうしていきたいか話合いました」

ーーすごく活発なワークショップだったんですね。
「おかげさまで継続してもう1年事業を続けられることになり、
もっと多くの方にこのエリアのことを知ってもらおうと、
媒体として冊子をつくることになりました。
ワークショップ参加者がせっかくこのエリアに興味を持ってくれたので、
プロにお任せではなく、みんなで取材して原稿を書こうと決めました。
盛岡の「てくり」や東京の「To magazine」、北九州の「雲のうえ」など
参考にしたいイメージを共有しながら始めました。
そこから1年かけてワークショップ形式で作っていったんです」

ーー内容はどうやって決めたんですか?
「ワークショップの1年目は、このまちの現状をデータを通して知り、
これからどうあってほしいかを考えました。
足利市は近隣の市町村と比較しても人口流出率が高かったことを知って、
参加者一同衝撃をうけましたが、現実の足利はといえば、
そんなことを包みこんでしまうようなゆったりした空気が流れています。
そう思いながらまちをみていくと、昔からいる方も、
新しい方も自由な生き方、暮らし方をしている人が多いことに気づきます。
そこで2年目はこのまちにことを多くの方に知ってもらうために、
冊子をつくることになりました。
ワークショップに参加している人がテーマを決め、
取材し、記事を書き、どんな写真がほしいか考えました」

そうして作られた「TALIRU」。
気になることを調べてみると、伝えたい足利のことが
ありすぎて、予定ページ数の倍になってしまったのだそう。
足利の織物文化や銭湯、かわいいお菓子「しんこ細工」など、
いろいろな魅力が紹介されています。

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「TALIRU」は、いしだたみエリアにある「mother tool」「うさぎや」「たけや」で販売中。
増刷協力金として500円でお譲りしています。

「TALIRU」

金額:500円(増刷協力金)

発行・企画・制作:いしだたみの会

ディレクション・デザイン:MANUAL DESIGN

カメラマン:矢野津々美

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