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京都〈日日/冬夏〉隠れ家のような
ティールームで味わう、
本物のカカオと悠久のとき

コロカルニュース
vol.2275

posted:2017.12.10  from:京都府上京区  genre:旅行 / アート・デザイン・建築

〈 コロカルニュース&この企画は… 〉  全国各地の時事ネタから面白情報まで。
コロカルならではの切り口でお届けする速報ニュースです。

京都御所の東に建つ、築90年を超える日本家屋にあるギャラリー〈日日(にちにち)〉。
そのなかに、まるで隠れ家のようなティールームがあります。

名前は〈冬夏(とうか)〉。
「冬夏青青 とうかせいせい」という、冬も夏も青々としている松の木に、
枯れない志を重ねた孔子の言葉にちなんでいるのだとか。

オーナーはドイツ出身のエルマー・ヴァインマイヤーさんと、奥さまの奥村文絵さん。
職人の手仕事を紹介する仕事はもう20年ほど続けてこられましたが、
ティールームは2015年にオープンしたばかり。
フードディレクターとしても活躍する奥村さんの経験を生かして、
本当においしいお茶とお菓子を提供しています。
(奥村さんのフードディレクションのお仕事についてはこちらから)

御苑の樹々のあいだを歩き、東側の門をぬけたら、日日/冬夏はもうすぐ。

門をくぐり戸を開けると土間があり、廊下の向こうにはギャラリーと
グローサリーを置いているスペースがあります。
ティールームは玄関を入って直ぐ左手。
何も知らなければ、気づかずに通り過ぎてしまうかもしれません。
なかには大きな栃の木のカウンターがあり、低くつくられた窓から庭の緑が見えます。

席は6つのみ。お茶とカカオまたは京都の職人さんがつくる朝生菓子のセット(1500円〜)などがいただけます。

お茶を頼むと、お店の方が目の前で時間をかけていれてくださいます。
慌ただしい時間と隔絶された空間にいると、そのときまで贅沢に感じられるよう。 

ときには、〈日日〉の展示作品が〈冬夏〉の壁を飾ることも。こちらは2017年10月に行われた〈ART BOOKS〉展の開催期間中に展示されていたアレクサ・デアさんの作品。

そのお茶をひと口飲むと、ここちよい苦みがすっと身体に染み込み、
背筋が伸びるような気がします。
こちらで出しているのは、無農薬特別栽培の茶葉を使った冬夏オリジナルのお茶。
滋賀県朝宮などの生産者から仕入れたお茶を、
それぞれの茶葉のおいしさを最大限に生かす湯加減と蒸らし方でいれてくださいます。

「茶づくりは“共存共栄”。農薬を撒かない畑では、猪や鹿が新芽を食べ、
カマキリや蜘蛛が巣を張り、様々な生き物の営みと共にある。
クローバーが茶畑を外敵から守り、てんとう虫が天敵を探して盛んに動き回る。
土は生き生きと茶の根を受け入れ、その恵みの先に茶を喫む私たちがいる。
自然の循環の中で育つ茶の木はおどろくような生命力に溢れている」
(冬夏のリーフレットより)

冬夏では何度も生産者のもとへ通い、品種や畑、収穫年や栽培環境を学びながらオリジナルのお茶をつくっています。

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チョコレートと呼ばないチョコレート「カカオ」とは?

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チョコレートと呼ばないチョコレート「カカオ」とは?

「cacao 103」

冬夏にいったら、ぜひためしたいのが「カカオ」と呼ばれるチョコレート。

食べてみると、なんともまろやかで濃厚な、すっきりとした甘み。
たしかにこれは、ふつうのチョコレートとはかけ離れたもの。
しつこさもなく、心地よい満足感があります。

原材料のカカオは、ハワイのカウアイ島から。
農薬も化学肥料も使わずに育てられた在来品種のカカオと
オーガニックのきび砂糖、バニラビーンズのみでできています。
ミルクや生クリームは使っていないので、ベジタリアンやヴィーガンの方にも喜ばれそう。

おすすめは、カカオのトリニタリオ種の変種で、
農園に約30本のみ生育する希少な品種「ダークビーン」を
使った「cacao 103」と「cacao 104」。

「cacao 103」8粒(29g)4,800円/「cacao 104」8粒(29g)4,800円

「cacao 103」はフルーティーでスパイシー。
赤ぶどうや黒すぐりのような果実感があり、濃厚な赤ワインにも通じる味わいです。

「cacao 104」はオーガニックのココナッツシュガーときび砂糖を半々にしたタイプ。
花のようなアロマが紅茶やシェリー酒などにも合います。

冬季限定の商品もぜひチェックを。
こちらは、ドイツに住む方に頼んでつくってもらっているというナッツケーキ。
ほとんどつなぎを使わずに焼き上げられたケーキは、ナッツとドライフルーツがぎっしり。
これはおいしそう!

「ナッツケーキ」ハーフ 2000円(税込)/ホール4000円(税込)

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そこで過ごす時間もひとつの作品。ギャラリー〈日日〉

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想像性に溢れ、シンプルで無駄がない職人たちの仕事

おいしいものや美しいものを愛する人なら、ギャラリーの空間にも目をうばわれるはず。
庭に面したギャラリー〈日日〉では、シンプルで美しい、
暮らしのための道具や茶器などを紹介しています。

これまでに紹介された作家は、輪島塗を芸術的に洗練させた角偉三郎さんや、
漆塗りの木のうつわを手がける仁城義勝さん、
岡山県伊部(いんべ)の歴史ある窯元に生まれ、岡山市の丸山で作陶を続ける金重まことさん、
フランス人アーティスト、アレクサ・デアさんなどなど。

12月8日(金)〜12月25日(月)は、
福井県鯖江出身の漆芸作家・山本隆博さんの展覧会〈ぬりもの〉が開催されます。
12月10日(日)はトークイベント「視えるところ、視えないところ」も行われるとのこと。
父・山本英明さんに漆を学び、1992年に独立後、古典的な技術を駆使しながらも、
現代的な独自の表現を生み出してきた山本さん。ぜひお話を聞いてみたいですね!

山本隆博さんの漆塗りのお皿。料理を引き立たせるお皿は、料理人からも人気が高いのだとか。

冬夏と日日に共通しているのは、
創造性に溢れ、つくることに真摯に取り組む職人に光をあてていること。
ものの溢れる時代に、本質的な豊かさを伝えていくというのが
両スペースに通底するポリシーのようです。

ギャラリー内にあるグロサリーでは、お茶やカカオを買うこともできます。
贈り物におすすめなのは、南米原産のレモンバーベナという
ハーブを使ったハーブティー「ヴェルヴェーヌ」。
レモンのような匂いがとっても爽やかで、消化促進やリラックス効果もあるそう。
葉の裏に香りのカプセルがあり、それを潰さぬように1枚ずつ手摘みしているのだとか。

冬夏の商品は公式サイトからでも購入できます。
でもやっぱり、お店の方からじかに話を聞いてゆっくり選びたいですね。
京都に行かれた際は、ぜひお出かけになってみてください。

information

map

日日/冬夏

住所:京都市上京区信富町298

アクセス:市営地下鉄「丸太町」駅1番出口徒歩12分、市営地下鉄「京都市役所前」駅3番出口徒歩12分、京阪電車「神宮丸太町」駅3番出口徒歩10分

営業時間:10:00〜18:00

定休日:火曜

電話:075-254-7533

Web:冬夏 日日

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